ヌードマウス可移植性ヒト腎細胞癌による治療実験の研究 : 第1報 ヌードマウス可移植性ヒト腎細胞癌株の特性
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概要
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ヒト腎細胞癌のヌードマウス可移植性腫瘍3株を樹立し,その基礎的特性について検討を行った.ヒト腎細胞癌13症例のヌードマウスヘの移植実験を行った結果,移植継代成功率は3例(23.1%)であり,それらをJRC1,JRC9,JRC11株と命名した.これら3株は,それぞれ10代,11代,11代継代しており,増殖曲線をみると,各継代株間で増殖率に差は認められず,すべて標準偏差内であった.可移植継代可能であった3症例は,病理組織学的にhigh gradeであり,臨床的にも急速に死の転帰をとった症例であった.さらに原発腫瘍と,移植継代組織を比較検討すると,原発腫瘍組織のうち,よりgradeの高い部が移植継代されており,また継代に伴う病理組織学的変化は,ほとんどみられなかった.腫瘍移植後のヌードマウスの体重変動をみると,slow growthの1株(JRC1株)を除いて,他の2株(JRC9,JRC11株)は,移植後腫瘍が増殖するに伴い,著明な体重減少を認め,悪液質様状態となり死亡した.
- 社団法人日本泌尿器科学会の論文
- 1984-12-20
著者
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