腎細胞癌経過観察中に原発性肺癌と腎細胞癌の肺転移を同時に認めた1症例
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概要
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(背景と目的)腎細胞癌に対する腎摘後,原発性肺癌および腎細胞癌の微小肺転移を同時に認めた稀な症例を報告する。(症例および結果)57歳,男子。他科疾患精査中に偶然右腎細胞癌を発見。腎摘後2年4ヵ月目に原発性肺癌を認め,摘出巣の病理診断にて低分化型腺癌と,病巣近傍にclear cell carcinomaを認めたが,その時点では腎細胞癌の肺転移と断定は困難であった。その後9ヵ月後,肺に多発性のcoin lesionを認めたため,肺に認めた微小なclear cell carcinomaは臨床的に腎細胞癌の肺転移と診断し,現在インターフェロン-α療法を行なっているが新病変の出現もなくNCの奏効度を維持している。(結論)腎細胞癌の術後,原発性肺癌と腎細胞癌の微小肺転移を同時認めた稀な症例であるが,腎細胞癌の肺転移に関しての診断は,その後の病状の変化を待って診断されたもので,先行する癌の治療経験を有する症例の新たな癌病変の診断に際しては,組織学的検討に関して十分留意する必要があると考えられる。
- 社団法人日本泌尿器科学会の論文
- 1997-10-20
著者
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大石 幸彦
東京慈恵会医科大学泌尿器科
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大西 哲郎
東京慈恵会医科大学 附属青戸病院 泌尿器科学
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大石 幸彦
東京慈恵会医科大学 放射線医
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中條 洋
東京慈恵会医科大学泌尿器科学教室
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鈴木 英訓
富士中央病院泌尿器科
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大西 哲郎
尾関医院
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大西 哲郎
東京慈恵会医科大学 泌尿器科
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鈴木 英訓
東京慈恵会医科大学青戸病院泌尿器科
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中條 洋
社会保険大宮総合病院
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中条 洋
東京慈恵会医科大学泌尿器科学教室
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飯塚 典男
東京慈恵会医科大学泌尿器科学講座
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細部 高英
東京慈恵会医科大学泌尿器科学講座
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鈴木 英嗣
東京慈恵会医科大学泌尿器科学講座
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細部 高英
慈恵大第三
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中条 洋
東京慈恵会医大 医 泌尿器科
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飯塚 典男
東京慈恵会医科大学 泌尿器科
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鈴木 英訓
東京慈恵会医科大学医学部泌尿器科
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細部 高英
東京慈恵会医科大学泌尿器科学教室
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