Diethylstilbestrol-diphosphateによる前立腺癌患者凝固抑制因子の低下 : 血栓症の発症機序の検討
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概要
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(目的) エストロゲン療法は前立腺癌に対し有効な治療法の一つであるが, 重要な副作用である心血管系疾患の合併が臨床上問題となり, 時には致死的となる症例もみられる。近年, 重篤な血栓症を発症するとされる先天性プロテインS (protein S ; 以下PS) 欠損症の報告が散見され, 血栓症発症における凝固抑制因子の役割が注目されている。そこで, エストロゲン療法時の心血管系疾患の合併と凝固抑制因子との関係を検討した。(対象と方法) 検討1:未治療患者39人, LH-RH agonist単独治療患者25人, diethylstilbestrol-diphosphate (以下DESdP) 内服患者35人の計99人においてそれぞれ凝固・凝固制御因子・線溶系因子を測定した。検討2 : 8例の前立腺癌患者にDESdP内服前と投与1〜8週後に凝固抑制因子を測定した。(結果) 検討1:DESdP内服中の前立腺癌患者のATIII, PSは明らかに低下しており, 特にPSは抗原量51.5±16.0.%, 活性42.9±16.0%と共に著しく低値であり, 未治療患者およびLHRH agonist 未治療患者より有意 (<0.0001) に低かった。検討2:同一症例でもPS抗原量, 活性はDESdp内服後全例にて有意な低下がみられた (それぞれp=0.0013, <0.0001)。(結論) 本研究ではDESdp内服患者においては, 先天性PS欠損症とほぼ同等のPS低下がみられ, DESdp内服前立腺癌患者における心血管系合併症はPSの低下と深く関連していると思われた。
- 社団法人日本泌尿器科学会の論文
- 2003-03-20
著者
-
大石 幸彦
東京慈恵会医科大学泌尿器科
-
林 典宏
東京慈恵会医科大学泌尿器科
-
大石 幸彦
東京慈恵会医科大学 泌尿器科学講座
-
大石 幸彦
東京慈恵会医科大学附属病院 医師人事委員会
-
大石 幸彦
東京慈恵会医科大学 泌尿器科
-
大石 幸彦
東京慈恵会医科大学 血液・腫瘍内科
-
大石 幸彦
東京慈恵会医科大学 放射線医
-
池本 庸
東京慈恵会医科大学泌尿器科
-
上田 正山
富士市立中央病院泌尿器科
-
和田 鉄郎
東京慈恵会医科大学泌尿器科学教室
-
鈴木 秀訓
富士市立中央病院泌尿器科
-
上田 正〓
富士市立中央病院泌尿器科
-
鈴木 英訓
富士中央病院泌尿器科
-
和田 鉄郎
東京慈恵会医科大学泌尿器科
-
池本 庸
東京慈恵会医科大学附属第三病院泌尿器科
-
林 典宏
東京慈恵会医科大学医学部泌尿器科
-
林 典宏
東京慈恵会医科大学 泌尿器科
-
鈴木 英嗣
東京慈恵会医科大学泌尿器科学講座
-
上田 正山
富士市立中央病院
-
上田 正山
東京慈恵会医科大学附属第三病院 泌尿器科
-
大石 幸彦
富士市立富士中央病院
-
池本 庸
東京慈恵会医科大学付属第三病院
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