マウス自然発生腎細胞癌に対するInterleukin-12の抗腫瘍効果に関する検討

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(背景と目的)最近注目を集めているIL-12の腎細胞癌に対する抗腫瘍効果,特に投与法の違いがもたらす効果の差を検討した。(実験材料および方法)用いた腫瘍は,マウス自然発生腎細胞癌株(RC-2)で,IL-12は腫瘍移植後10日目より,5回/週×3course腹腔内投与(i.p.)および腫瘍近傍皮下投与(s.c.)の2群間で効果を比較検討した。投与量は,0.5μg/, 1.0μg/, 2.0μg/mouseの3群を設定した。(結果)1)相対的平均腫瘍重量比(TRW/CRW):0.5μg/mouseの投与群は,i.p.投与群がs.c.投与群に比較して強い腫瘍増殖抑制効果が得られたが,それ以上の投与量では逆にs.c.投与群がi.p.投与群に比較して強い効果が認められ,かつこれら効果は腫瘍増殖曲線上も確認された。2)組織学的効果:いずれの実験群も腫瘍の完全退縮までの効果は得られず,grade II程度の変性であったが,i.p.投与では散在性に,s.c、投与ではIL-12投与側に一様に強い変性を生じた。3)担癌マウスの生存期間:いずれの実験群も対照群に比較して生存期間の有意の延長が観察されたが,投与法の違いによる有意差はなかった。4)副作用:対照群に比較して,IL-12投与群は腫瘍重量を除いた担癌マウスの著明な体重減少はなかった。(結論)IL-12の抗腫瘍効果増強を目的とした。腫瘍-宿主間の免疫応答の解析がさらに必要と考えられた。
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1996-10-20

マウス自然発生腎細胞癌に対するInterleukin-12の抗腫瘍効果に関する検討

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