腎細胞癌原発巣浸潤リンパ球subsetの評価と, IFN-γ投与が及ぼす免疫的効果に関する研究
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概要
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根治的腎摘除術を施行した腎細胞癌22症例について, 術前IFN-γ無投与群12例 (無投与群) と, IFN-γ投与群10例 (投与群) の2群に分け, リンパ球のモノクローナル抗体による免疫組織染色法を用いてTIL及びPBLの各subset比率に関して検討し, さらにIFN-γ投与がこれらsubsetに及ぼす免疫的効果についても検討した. その結果, TILではIFN-γ投与によりCD3 (T細胞) の増加, 特にCD8 (suppressor/cytotoxic T細胞) の増加が認められた. PBLではIFN-γ投与によりCD16 (NK細胞) の増加のみが観察された. stage別にTIL-subset比率をみると, high stage症例に各subset比率の高い傾向が観察された. また, IFN-γ投与によりlow stage症例でのCD3及びCD8の増加が著しかった. grade別に検討するとlow grade症例とhigh grade症例間で差はなかったが, IFN-γ投与によりlow grade症例のCD3及びCD8の増加が観察された. また, PBLについては, stage及びgradeに関係なくCD16の増加のみが観察された. 従って, IFN-γ投与によりTILのCD3の増加が観察され, そのうち特にCD8を中心とした腫瘍に対する抗原性増強にIFN-γが関与することが示唆された. 同時にこの傾向はlow stage及びlow gradeの症例に顕著である結果が得られた.
- 社団法人日本泌尿器科学会の論文
- 1991-02-20
著者
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