腎細胞癌に対する術前腎動脈塞栓法の予後におよぼす効果
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概要
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1975年から1979年の5年間に,慈恵大学病院で,腎細胞癌45例に根治的腎摘除術を行った.45例中,術前に腎動脈塞栓法を施行したものは22例で,のこりの23例は塞栓法を行わなかった.両群を対象に,腎動脈塞栓法の予後におよぼす影響について検討した.手術時に転移のない例では,塞栓法施行群は非施行群に比べて,術後の転移発生の頻度が少なく,生存率がよい傾向がみられ,本法は手術時の腫瘍細胞撒布の危険性を減少させる可能性が考えられた.手術時に転移のある例では,腎動脈塞栓施行群に長期生存例がみとめられ,本法は腎細胞癌患者の免疫能の改善に役立つ可能性が示唆された.本法の効果の有意性を明らかにするためには,さらに多くの症例について,長期間の観察が必要であるが,本法は腎細胞癌患者の術前治療として行う価値のある治療法と考えられる.
- 社団法人日本泌尿器科学会の論文
- 1983-10-20
著者
-
町田 豊平
東京慈恵会医科大学泌尿器科学教室
-
町田 豊平
東京慈恵会医科大学
-
大西 哲郎
東京慈恵会医科大学 附属青戸病院 泌尿器科学
-
大西 哲郎
東京慈恵会医科大学 泌尿器科
-
仲田 浄治郎
東京慈恵会医科大学柏病院泌尿器科
-
増田 富士男
東京慈恵会医科大学
-
荒井 由和
佼成
-
荒井 由和
東京慈恵会医科大学泌尿器科学教室
-
増田 富士男
東京慈恵会医大
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