プロセス分解代数に基づくデータフロー図の段階的詳細化システムの設計と実現

概要

論文の詳細を見る
ソフトウェア作成における要求分析は、抽象的な仕様記述を段階的に詳細化する作業としてとらえることができる。DeMarcoの提案し彪榊造化分析(SA)手法では、この作業をデータフローダイアグラム(DFD)の詳細化作業としてモデル化し、作業手順を与えている。Adlerが提案したプロセス分解代数は、DFDの詳細化作業を形式化し、入出力マトリクスからDFDを生成する枠組を与えている。我々は、内部データストアと内部データフローを考慮したプロセス分解代数を提案し、この代数を用いて『抽象化バランスが均等なDFDを与える手法を示した。この手法は、従来手法では実現困難であった次の特徴を持つ。(1)人手で作成したDFDとほぼ等しい形状に、内部データを含む任意の構造のDEDを生成できる。(2)DFDの詳細化過程で入出力マトリクスの変更を要しない。(3)インクリメンタルにDFDを生成しDFDの詳細化結果を再利用できる。本稿では、この手法に基づき、ワークステーション上に作成したDFDのを詳細化するシステムについて、その構成と適用例を述べる。
一般社団法人情報処理学会の論文
1992-02-24