神経回路網による時系列パターンの認識と応用

概要

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音声信号にしろ、画像信号にしろ、それらを実時間で連続信号として扱うことは工学的に有用である。また、連続信号から何らかの認識を行うことを考えると、ある瞬間の信号を認識することよりも、その信号の遷移を認識することの方が重要になってくる。そこで、本研究ではこうした実時間での連続信号認識を行うために、その核となる時系列パターン認識モデルを神経回路網により構成し、その処理能力と応用について考察を行う。時系列パターンを神経回路網で取り扱う場合、時間を空間パターンに展開するものと、時間そのものとして扱うものに大別できる。空間パターンに展開するものには二見らのモデルがその代表として挙げられる。こうしたモデルは、展開されている時間幅以上の時系列の認識はできず、不定長の時系列を認識するのには適していない。そこで不定長の時系列を認識するためには時間をそのものとして扱う必要があり、そうしたモデルを二見らが「ニューロ棒」を用いて、また森田らが「刺激蓄積効果」を用いて示した。本研究はこれら2つの研究を発展させたものとして位置づけられる。
一般社団法人情報処理学会の論文
1989-03-15