国民栄養調査成績から見た多価不飽和脂肪酸摂取量およびビタミンE摂取量との比とそれらの年次推移
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概要
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日本人がどの位のPUFAを摂取しているかを明らかにするため,PUFA荷重平均成分表を作成し,1971年から1990年の国民栄養調査成績を基に,1人1日当たりのPUFA摂取量を算出し,それらの値の年次推移を検討した.また,どのような食品類がPUFA摂取量に寄与しているか,さらにE摂取量との比を計算し,それの値の年次推移を検討した.(1) 日本人の 1 日の PUFA 摂取量は約17 g であり,調査した20年間では大きな変動は認められなかった.(2) 日本人の 1 日の PUFA 摂取量の主な源は油脂類,豆類,穀類であり,これに魚介類,いも類,菓子類が次いでいた.調査期間中,菓子類等のように食品群によっては食生活の変遷などでそれらからの PUFA 摂取量に変動が見られるものもあったが,1 日の PUFA 摂取量には大きな変動は認められなかった.(3) 調査期間中のE摂取量 (mg) と PUFA 摂取量 (g) の比は 0.54〜0.60 の範囲にあり,20年間では大きな変動は認められなかった.しかし,E摂取量においても個人別で見ると,過不足のものが少なくなかったことから PUFA 摂取量および E/PUFA 比においても個人別での検討の必要性が示唆された.(4) Horwitt が提唱している式に基づいて栄養調査から得られた本結果からわが国の成人のE要求量の算出を試みると,E 要求量 (mg α-TE) は約 10 mg であった.
- 1994-03-25
著者
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平原 文子
国立健康・栄養研究所食品科学部
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富岡 和久
北陸学院短期大学
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大谷 八峯
厚生省保健医療局健康増進栄養課
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石井 謙二
日本大農獣医 農芸化学
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石井 謙二
日本大学農獣医学部農芸化学科
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大谷 八峯
厚生省 保健医療局
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