デヒドロアスコルビン酸と核酸関連化合物,とくにアデニンまたはアデノシンとの褐変反応
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概要
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デヒドロアスコルビン酸(DHA)とヌクレオチド,ヌクレオシド,または核酸塩基類とを酸性下で加熱し,その褐変反応について比較検討した. 0.01NHCl中での加熱では,ヌクレオチドではAMPおよびGMP,ヌクレオシドではアデノシンおよびグアノシン,塩基ではアデニンがDHAと比較的強く褐変反応を示した. DHAとアデニンとを氷酢酸中で加熱し,得られた褐色沈殿物をTLCで分析した結果, DHA-アデニン結合体と思われる区分を分離した.また, DHAとアデノシンとを氷酢酸-メタノール混液で加熱し,得られた褐変溶液をTLCで分析した結果, DHA-アデノシン結合体と思われる区分が検出された. これら結合体区分は不安定であり,加熱によりDHA-アデニン区分からはアデニン, DHA(エノール型)およびその分解物,また, DHA-アデノシン区分からはアデノシン,アデニン,リボース,DHA(エノール型)およびDHA-アデニン結合体を分離した.また,これら結合体区分を塩酸加水分解すると,アデニンに由来するグリシンの生成を認めた.そして,これら結合体は加熱により褐変物質を生成することから,その中間体であると考えられる.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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