ピーマンうどんこ病に関する研究 : (2) ピーマン葉上における分生子柄ならびに分生胞子の形成
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概要
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ピーマン葉裏面におけるLeveillula tauricaの分生子柄の形成およびその先端に分生胞子が形成されるまでの過程を光学顕微鏡ならびに走査型電子顕微鏡下で観察した。L. tauricaはうどんこ病菌のうちでも数少い内部寄生性うどんこ病菌とされている。したがって本菌は, いったん気孔から侵入, 葉組織内で増殖の後, 再び気孔から外部へ分生子柄, 分生胞子を突出する。しかし, 本菌は外生菌糸を形成し, その上にも分生子柄ならびに分生胞子が形成され(8%), 必ずしも内部寄生性菌としての性質だけではないことが認められた。これは従来の知見では知られなかった事実である。分生子柄形成後約20時間で, 分生子柄先端に第一分生胞子が形成された。第一分生胞子は舟形を呈したが, 次に形成される分生胞子は円筒型で, 両者の形態は著しく異なった。また分生子柄は時に分岐し, それぞれに分生胞子の形成することも認められた。分生胞子の大きさは約130×30μmであった。分生胞子は表面に多くの刺状突起を有した。このような突起は分生子柄上にも認められ, 分生胞子直下から分生子柄の約3分の2のところまで形成されるが, 分生子柄基部には全く認められなかった。分生胞子および分生子柄上の刺状突起は数種の外部寄生性のSphaerotheca fuliginea, Erysiphe graminis, Cystotheca lanestrisおよびOidium euonymi-japonicaeには全く見られなかったので, L. tauricaの特徴の1つであろう。分生胞子は極めて付着しやすいこと, またスライドグラス上で移動すると分生胞子の跡がまれにつくことなどから, 分生胞子の表面には粘着物質が分泌されているのではないかと考えられる。
- 1981-04-25
著者
-
有本 裕
理化学研究所
-
見里 朝正
理化学研究所
-
高橋 広治
農業環境技術研究所
-
高橋 広治
蚕試 中部
-
石川 武丕
理化学研究所
-
本間 保男
理化学研究所
-
高橋 広治
蚕糸試験場中部支場
-
松田 泉
家畜衛生試験場
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