大豆レシチンの作用機構に関する研究 : 第3報イネいもち病菌の感染過程に及ぼす影響

概要

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大豆レシチンの作用機構を解明するため,タマネギリん片剥離表皮検定法を用い,イネいもち病菌の形態に及ほす影響を検討した。接種24時間後の観察によると,5ppm大豆レシチンはイネいもち病菌の付着器形成を阻害しなかったがッ付着器侵入をほほ完全に抑制した。その500ppmはイネいもち病菌の分生胞子側面あるいは発芽管側面に異状構造物の形成を誘導し,付着器形成を著しく抑制し,その上発芽管先端は二分岐するという形態異常が認められた。また,2,000PPm大豆レシチンを処理したイネ葉上でも付着器形成が抑制された。しかし,分生胞子発芽や菌糸伸長は1,000あるいは2,000ppmでも抑制されなかったので,大豆レシチンの抑制効果は,いもち病菌の生育過程のうち付着器侵入の抑制にあると判断された。
日本植物病理学会の論文
1992-10-25