アミノ酸関連物質による植物病害の防除 : 7. イネいもち病菌菌糸に対するN-lauroyl-L-valineの作用
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概要
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N-アシル-L-バリンのいもち病防除価と浸透力の強さとはよく連関した。また, N-ラウロイル-L-バリン処理によって, いもち病菌菌糸にあきらかな変形がみとめられた。N-アシル-L-バリンな, いもち病菌菌糸に作用させると, 260, 280nm吸収物質の漏出が認められ, その漏出量は防除価とよく連関した。漏出物質は数種の核酸関連物質, 蛋白, アミノ酸, ブドウ糖などで, 非特異的であった。さらに, N-ラウロイル-L-バリンのL-バリンを, D-バリンあるいは, DL-バリンに変えると, 浸透力の強さは, L>DL≧Dの順であり, 菌体内物質の漏出量も, L>DL>Dの順であった。以上の結果から, N-ラウロイル-L-バリンはいもち病菌菌糸に対して界面活性剤として作用し, 菌糸表層を変性させ, 菌体内物質を漏出させると考えられる。
- 日本植物病理学会の論文
- 1981-04-25
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