自然言語の語彙分割による形式的仕様記述
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概要
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従来, プログラムの仕様は自然言語で書かれていたが, 仕様を入力として, 各種の文書合成や無矛盾性などの検証, さらにはプログラムの自動合成といった意味に関した処理を計算機で行うには, 形式的意味をもつ言語により記述する以外に方法はない. 一方, 自然言語は人間にとってわかりやすいが, 非形式的すぎる. 本論文では, 曖昧性のない擬似的な自然言語(英語)でプログラムの形式的な仕様記述を段階的に行う方法を提案する. われわれの仕様記述言語の意味的基礎は一階の述語論理である. 仕様記述は, 使用される単語の意味を,下位のレベルで定義された単語を用いた英文や論理式, さらには抽象データ型やそのオペレーションを用いて, 定義しながら階層的に行っていく. このため, 最上位レベルの仕様は人にとってわかりやすい英文で記述することができる. 英文で書かれた仕様は, 単語の意味定義から導かれる述語論理の有意式への変換規則に従って, 論理式へと変換される. これにより, 仕様記述内容に厳密な意味が割り当てられ, この論理の公理系のもとで, 計算機による本格的な意味処理が可能になる.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1984-03-15
著者
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米崎 直樹
東京工業大学大学院情報理工学研究科計算工学専攻
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佐伯 元司
東京工業大学
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榎本 肇
東京工業大学工学部情報工学科
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米崎 直樹
東京工業大学大学院情報理工学研究科
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榎本 肇
東京工業大学:富士通国際情報社会科学研究所
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