演繹体系による暗号方式の形式化と体系の性質としての暗号方式の安全性
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概要
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非対称暗号方式等、暗号方式の特徴やその安全性は、確率理論や計算量理論を用いてこれまで盛んに研究されてきた。本稿では、理想化された非対称暗号方式を形式化可能なJDE体系と呼ぶ演繹体系を提案する。この演繹体系を用いることにより、様々な非対称暗号方式の類似した安全性を統一的に取り扱うことが可能となる。本稿では、安全性を表現するためにいくつか新しいアイデアを導入した。まず、content-of等いくつか関数を導入した。これにより、「攻撃者は、二つの暗号文の中身を見ることなく、その中身が等しいかどうか知ることができる」等の状況を形式化するのに十分な推論規則を構成することが可能となった。さらに、判定文に加えて、演繹体系の性質として非判定文を導入した。これらを用いることにより、非対称暗号方式の安全性である「内容区別不能性」「鍵区別不能性」「内容非展性」「鍵非展性」を定義することが可能となった。これらの安全性はそれらの十分条件を示すことにより証明される。「内容長非展性」も同様にこの体系で証明される。JDE体系は、理想状況での攻撃者の可能な振る舞いをすべて捉えており、その意味では、この体系は暗号方式の直観的な完全な公理系である。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2003-07-10
著者
-
萩原 茂樹
東京工業大学大学院情報理工学研究科計算工学専攻
-
米崎 直樹
東京工業大学大学院情報理工学研究科計算工学専攻
-
BHERY Ashraf
東京工業大学大学院情報理工学研究科計算工学専攻
-
米崎 直樹
東京工業大学大学院情報理工学研究科
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