新潟県における子宮腫瘍地域登録成績
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概要
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新潟県で1982年以来施行されている子宮腫瘍登録成績(1982〜1984)の分析から以下の結果をえた.(1)登録率(報告機関数/医療・検診機関+病理検査機関数)は94.2%〜96.6%,平均95.2%であった.(2)原発性子宮腫瘍(再発症例は除く)1,182例,転移性子宮腫瘍9例が3年間に登録された.原発性子宮腫瘍の内訳は,(1)子宮頚部異型上皮(以下,異型上皮と略す)358例,(2)子宮頚部上皮内癌(以下,上皮内癌)147例,(3)子宮頚部浸潤癌(以下,浸潤癌)530例(扁平上皮癌485例,腺一扁平上皮癌15例,腺癌30例),子宮体部癌147例(内膜腺癌141例,中胚葉性混合腫瘍4例,因腫2例)であった.(3)腫瘍発見の端緒が集団検診であるものの割合は,異型上皮54.7%,上皮内癌55.1%,浸潤癌19.1%,内膜腺癌(以下,内膜癌)7.1%であった.(4)浸潤癌症例のうち過去3年間に癌検診の既往を有するものは98例,19.0%であり,このうち42例(42/98,42.9%)は異常を指摘されていない.既往検診で異常を指摘されなかった頻度は扁平上皮癌(腺-扁平上皮癌を含む)38.3%(31/81),腺癌64.7%(11/17)と腺癌で高率であった(p<0.05).(5)上皮内癌,浸潤癌,内膜癌の罹患率のピークはそれぞれ,40〜44歳,70〜74歳,50〜54歳であった.粗罹患率(前年齢),年齢標準化罹患率(世界人口,前年齢),年齢標準化罹患率(世界人口,30歳以上)はそれぞれ上皮内癌3.88,3.08,6.77,浸潤癌13.98,9.45,21.00,内膜癌3.72,2.63,5.90である.(6)子宮癌(上皮内癌を含む)の生涯罹患率(0〜75歳)は1.65%であった.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1987-03-01
著者
-
小幡 憲郎
栃木がん
-
竹内 正七
帝京大学医学部産科婦人科学教室
-
佐々木 綾子
新潟県厚生連村上総合病院
-
竹内 正七
新潟大学医学部産科婦人科
-
小幡 憲郎
新潟大学医学部産科婦人科学教室
-
佐々木 綾子
新潟大学医学部産科婦人科学教室
-
小幡 憲郎
新潟大学 産婦人科
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