絨毛上皮腫発生のRisk比
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概要
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分娩,流産,奇胎などのトロホブラストが悪性変化して絨毛上皮腫(絨腫)になるrisk比は,それら妊娠の母数を正確に把握し,かつ一定の観察期間を経なければ算出し得ない.絨腫の潜伏期は,極めて短かいもの,たとえばchoriocarcinoma 'ab initio'から20年に達する極めて長いものまである.われわれは,昭和46年以来新潟県において,絨毛性腫瘍の登録管理方式を推進し,登録については昭和50年まで100%の成績を収めてきた.出生数,死産数,人工妊娠中絶数などは何れも県の衛生統計成績を利用し,自然流産数は全妊娠数の10-25%を自然流産率とする報告が多いことから,この数値を用いた. 昭和46年から昭和50年までの間に,新潟県内に発生した組織学的確認の絨腫は33例あるが,それらの先行妊娠と衛生統計の妊娠数との割合から,絨腫へのrisk比を求めた.その結果,分娩を1とすると人工流産1,自然流産2.5(25%とした時)〜7.5(10%とした時),奇胎150,破奇650のrisk比であつた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1977-12-01
著者
-
新井 繁
済生会新潟第二病院
-
半藤 保
教育・用語委員会
-
竹内 正七
新潟大学医学部産科婦人科
-
半藤 保
新潟大学医学部産科婦人科学教室
-
新井 繁
新潟大学医学部産科婦人科学教室
-
広神 俊彦
新潟大学医学部産科婦人科学教室
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