検診車検診成績からみた子宮頚部新生物の有病率と罹患率に関する研究

概要

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宮城県(1979,1980年),新潟県(1979,1980年),神奈川県(1980年),福岡県(1980年)で施行された検診車による子宮頚癌検診受診者276,846例,そのうち初診者78,018例(初診率24.6%),再診者208,828例の検診成績の分析から,以下の点を明らかにした.(1)受診者全体の浸潤癌発見率は0.04%,上皮内癌0.03%,高度異形成0.06%であつた.これを調査時点における受診者人口1,000人あたりの有病率に換算すると,それぞれ0.40,0.30,0.63になつた.(2)浸潤癌,上皮内癌,異形成の発見率は,初診者では0.08%,0.07%,0.08%,同じく再診者では0.03%,0.02%,0.06%であつた.再診者の成績から,罹患率は対象人口10万人あたり浸潤癌30,上皮内癌20,高度異形成60となつた.(3)5歳年齢階級別に発見率をみると,初診著では60歳以上群で浸潤癌,高度異形成が,また65歳以上で上皮内癌がそれ以下の年齢群に比し高率を示した.(4)再診者について,5歳階級別に浸潤癌,上皮内癌,高度異形成の発見率をみると,おおむねなだらかな横這の成績であつた.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1985-11-01