Heterologous Membrane Antigen (HM Ag) の性状と婦人科悪性腫瘍及び妊娠における反応性
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概要
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概要 Heterologous membrane antigen (以下HM Ag)は牛胎仔血清(以下FCS)に含まれ、培養細胞膜内に取り込まれることが認められている。そこでこのHMAgの培養細胞膜上で動態及び、HMAgの分布、更に、正常人、妊婦、産婦人科腫瘍患者のHMAgに対する免疫的反応性を免疫粘着反応及び抗体吸収法にて検討したところ、次の結果を得た。 1)20%無γ雇勿愎牛胎仔血清加培養液ではM14細胞膜上におけるHM Ag量の変化は認められなかつた。 2)20%無γグロブリン人血清及ひ20%人全血清でM14を培養したところ、細胞膜上のHM Ag量はしたいに減少し、培養後12〜18日頃までにはほとんど消失した。 3)20%人全血清培養液での培養でHMAgの消失したM14細胞はFCSを10%、20%、30%加えた培養液で再度培養したところ20、30%では培養後48時間までにM14細胞膜上のHMAg量はもとに回復した。 4)HM AgはFCS、成牛血胤成乳、牛赤血球homogenate中にそれぞれ512×、1、024×、128×、256×の量を認め、また羊赤血球homogenateにも256×認められた。 5)妊娠と抗HM Ag 抗体 正常婦人での抗HMAg抗体出現率は50/92(54%)に比し妊娠前期15/31(48%)、中期16/34(47%)、後期15/28(54%)であり胞状奇胎では4/6(67%)であつた。 6)婦人科悪性腫瘍と抗HMAg抗体 子宮頚癌では10/22(45%)、卵巣癌11/18(61%)、外陰癌1/2(50%)、絨毛癌2/3(67%)の抗HM Ag抗体出現率を認めた。 以上の所見よりFCS加培養液での培養細胞の膜抗原分析にはHM Agの関与を除去するため被検血清より抗HM Ag抗体を吸収するか、FCSの代わりに人血清を用いるなどの必要性が示唆された。
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1986-11-01
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