婦人科癌抽出液によるリンパ球幼若化反応の検討
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概要
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子宮頚癌14例,子宮体癌4例,卵巣癌5例について癌組織およびそれに対応する正常組織より3M-KCL抽出法により可溶性抽出液を取り出し,それによる自己リンパ球の幼若化反応を3H-TdRの取り込みにより観察し,以下の成績を得た.1)子宮頚癌8例において,添加蛋白濃度を検討した結果,60μg/Well癌組織抽出液によるリンバ球の反応値と正常対応組織抽出液によるリンパ球の反応値が最大の差を示した.2)対照群(正常人)16例について癌組織,および正常組織抽出液によるリンパ球の反応値のStimulation Index(S.I.)はそれぞれ0.82±0.3 ; 0.87±0.32で両者間に有意の差は存在しなかった.3)子宮頚癌では癌組織抽出液によるリンパ球のS.Lは1.32±0.55であり正常対応組織抽出液によるS.I.は1.04±0.42であり両老間に有意の差は存在しなかった.しかし,癌組織抽出液によるS.I.が2.0以上を示す例は14例中3例(21.4%)であった.正常組織抽出液によるS.I.が2.0以上の症例はたかった.4)卵巣癌,子宮体癌においては癌組織抽出液によるS.I,が2.0以上を示す例は,それぞれ5例中1例(20.0%),4例中0例(0.0%)であった.以上の成績より3M-KCL抽出液の中には,癌特異抗原の存在が推測され,自己リンパ球も徴弱ではあるが,免疫応答をしていることが観察され,今後さらにより純粋な型で癌特異抗原が抽出可能であるなら,さらに明瞭に特異的免疫反応の成立が認められるものと思われる.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1980-04-01
著者
-
金澤 浩二
琉球大
-
中村 修治
新潟大学産科婦人科学教室
-
金沢 浩二
新潟大学医学部産科婦人科学教室
-
梶野 徹
新潟大
-
竹内 正七
新潟大学医学部産科婦人科
-
湯沢 秀夫
新潟大学医学部産科婦人科学教室
-
大野 雅弘
新潟大
-
梶野 徹
新潟大学医学部産科婦人科学教室
-
大野 雅弘
新潟大学医学部産科婦人科学教室
-
中村 修治
新潟大学医学部産科婦人科学教室
-
金沢 浩二
新潟大学医学部産科婦人科
-
梶野 徹
新潟大学医学部産科婦人科
-
湯沢 秀夫
新潟大学医学部産科婦人科
-
大野 雅弘
新潟大学医学部産科婦人科
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