正常妊娠のtrophoblastにおけるMHC抗原, とくにHLA Class II抗原の表現に関する免疫組織学的解析
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概要
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着床部trophoblastにおけるMHC抗原, とくにclass II HLAの表現の有無を明らかにする目的で, 摘出妊娠初期子宮と満期正常分娩にて得られた胎盤の着床部組織について単クローン抗体(抗HLA-DR, -DP, -DQ抗体)を用いた免疫組織学的解析を行つた. 同時に連続組織切片についてtrophoblastを識別する抗cytokeratin(CAM5.2)を用いた染色を行い, trophoblastのsubpopulationに十分留意し, さらに, HLA-ABCの染色を行つて以下の成績を得た. 妊娠初期 (1) villous syncytiotrophoblastはHLA-ABC, -DR, -DP, -DQのいずれも陰性であつたが, villous cytotrophoblastはHLA-ABC, -DR, -DQについては陰性であるものの, -DPは陽性であつた. (2) cell island, cytotrophoblastic cell columnのcytotrophoblastはHLA-ABC, -DP陽性を示したが, -DR, -DQ陰性であつた. (3)脱落膜に侵入しているextra-villoustrophoblastにはHLA-ABC, -DP陽性である細胞が観察された. 妊娠後期 (1) villous syncytiotrophoblastはHLA-ABC, -DR, -DQ陰性であつたが, -DP陽性であつた. (2) 脱落膜に認められるextra-villous trophoblastはHLA-DR, -DQ陰性であるが, -ABC, -DP陽性のものが観察された.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1989-06-01
著者
-
竹内 正七
帝京大学
-
金澤 浩二
琉球大
-
金沢 浩二
新潟大学医学部産科婦人科学教室
-
本間 滋
新潟大学医学部産科婦人科学教室
-
竹内 正七
帝京大学医学部産科婦人科学教室
-
中村 稔
新潟大
-
竹内 正七
新潟大学医学部産科婦人科
-
中村 稔
新潟大学医学部産科婦人科学教室
-
内山 三枝子
新潟大学医学部産科婦人科学教室
-
遠藤 道仁
新潟大学医学部産科婦人科学教室
-
遠藤 道仁
新潟県立がんセンター新潟病院産婦人科
-
金沢 浩二
新潟大学医学部産科婦人科
-
本間 滋
新潟大学医学部産科婦人科
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