日本人学童の顎顔面頭蓋の成長発育に関する研究

概要

論文の詳細を見る
矯正治療の主な対象である学童の顔面頭蓋における発育様相を評価することは,歯科矯正学上重要であり,現在に至るまで,側面頭部X線規格写真等を用いて様々な研究がなされてきている.しかしながら,各骨格型について縦断的に採取した資料をもとに,その成長発育を比較検討した研究は,現在まであまり行われていない.今回我々は,成長発育が旺盛な学童の顔面頭蓋における成長発育の検討を行った.資料として,小学校2年生時から6年生時までのHellmanの発育段階IIC〜IIIC期にあたる,矯正治療を受けていない男子60名,女子60名,計120名の側面頭部X線規格写真を用いた.各頭部X線規格写真の分析より,資料を骨格性Class I, Class IIおよびClass IIIの3グループに分け,また男女によっても比較を行うこととし,計6グループに分類した。それぞれのグループについて,角度ならびに距離分析を行い,比較検討した結果,次の結論を得た.1.頭蓋底での成長発育に関しては,男女共に,2年生時にはS-Nの距離はClass IIIのグループが最も短かった.また4年間の成長屋もClass IIIのグループが最も少なかった.2.上顎複合体の前方成長量は,男女ともClass IIグループが他のグループに比べ少なかった.3.下顎骨の成長発育に関しては, Class III群では下顎骨は2年生時に他の群に比べ前方位にあり,その後の成長量も他のグループに比べて大きいが,成長方向は他のグループに比べてよリ大きな時計回りの回転を示していた.4.上下前歯の唇側傾斜は,全てのグループで経年的に増加していた.5.顔面頭蓋の成長量は男子の方が女子よりも大きかった.
大阪歯科学会の論文
2003-06-25

日本人学童の顎顔面頭蓋の成長発育に関する研究

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク