前歯部オーバーバイトに影響を及ぼす因子の抽出に関する研究 : 第1報 過蓋咬合
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概要
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歯科矯正治療の目的には,機能の改善とそれに伴う上下顎大臼歯および犬歯の咬合関係や前歯部オーバーバイトの改善が必要となる.特に不正咬合のなかでも過蓋咬合症例における前歯部オーバーバイトの改善は,治療の難しいものの一つであり,顎顔面の水平的不正のみならず垂直的な不正についても考慮する必要がある.すなわち治療計画を立案する上で顎顔面形態を把握し,過蓋咬合での前歯部オーバーバイトに関連する形態学的因子を抽出することが重要であると考える.そこで今回,垂直的不正に注目し過蓋咬合での前歯部オーバーバイトに影響を及ぼす因子の抽出および検討を行った.資料として大阪歯科大学付属病院矯正歯科を受診した,歯科矯正治療の既往のない過蓋咬合患者の成人女性60名の側面頭部X線規格写真を用いた.顎顔面の特徴を表している46計測項目を設定し,骨格型および歯型について距離計測と角度計測を行った.前歯部オーバーバイトとの相関が認められたのは,上下顎中切歯歯軸顧斜角,上下顎犬歯歯軸傾斜角,犬歯部のオーバーバイト,口蓋平面からの上顎大臼歯の距離, N-Meに対するN-ANSの距離,N-Meに対するN-U1およびN-U3の距離N-Meに対するANS-Meの距離,FH平面に対する上顎前歯歯軸傾斜角,上顎犬歯歯軸傾斜角,上顎第一大臼歯歯軸傾斜角と上顎咬合平面の角度の12項目であった.以上の結果,次のような結論を得た.1.口蓋平面前方部の下方傾斜または口蓋平面の下降が前歯部オーバーバイトに影響を及ぼしていた.2.過蓋咬合の成立には,口蓋から大臼歯の垂直的距離が関与していた.3.咬合平面が前歯部オーバーバイトに影響を及ぼしていた.4.過蓋咬含の成立には,上顎中切歯,上顎犬歯および上顎臼歯の歯軸が関与していた.
- 2003-06-25
著者
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川本 達雄
大阪歯科大学歯科矯正学講座
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神原 敏之
大阪歯科大学歯科矯正学講座
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川本 達雄
大阪歯科大学歯科矯正学
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川本 達雄
大阪歯科大学
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神原 敏之
大阪歯科大学歯科矯正学
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来田 里衣子
大阪歯科大学
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川本 達雄
大歯大・矯正
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