<原著>顎関節内障クローズドロック症例に対する2次治療 : 第1報 : ロック解除後に咬合再構成を行った1症例

概要

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顎関節内障クローズドロックに対する治療は保存療法が第一選択であり, 保存療法が無効な場合には, 関節鏡視下剥離授動術などの外科療法の適応となる。クローズドロックの治療目標はまず, 関節円板の可動性を増大させ, 下顎頭の可動域を増加させることにより, 開口障害, 疼痛などの臨床症状を改善することである。これらの治療は1次治療と呼ばれる。1次治療で得られた効果を永続させる治療を2次治療と呼ぶ。咬合再構成などの治療がこれにあたる。これまでクローズドロックの治療成績についての報告は主に1次治療に関するものであり, 2次治療の必要性は認められているものの, それらの報告は少ない。今回われわれは, クローズドロック症例に対し, マニピュレーションを施行し, ロック解除した後, 矯正治療と補綴治療を併用した, 全顎的な咬合再成を行い, 最終補綴より3年以上, 良好に経過している1例を経験したので, その概要を報告する。症例は34歳の女性で, 開口障害を主訴に来院した。マニピュレーションにてロックを解除した後, 下顎前方整位型スプリントにて6か月治療後, provisonal restorationと矯正治療を行い, 1年8か月の経過観察の後に最終補綴を行い, MRIにて両側関節円板の整位が確認された症例を経験した。この症例の治療を通して, 顎関節内障に対する1次治療奏功後の2次治療の重要性が示された。
東北大学の論文
1994-12-28

<原著>顎関節内障クローズドロック症例に対する2次治療 : 第1報 : ロック解除後に咬合再構成を行った1症例

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