顎関節内障クローズドロックに対する2次治療-第2報:下顎頭のprogressive remodelingが認められた1例-

概要

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われわれは, 著しい開口障害と関節痛を伴ったクローズドロック症例に対し, スプリント療法を中心とする保存療法を行い, 2次治療として, 義歯による補綴を行い, 症状の改善を得るとともに, 経時的なX線写真にて下顎頭のprogressive remodelingが認められた1例を経験したのでその概要を報告する。患者は55歳の女性で, 初診時, 現症として, 開口時の右顎関節部落痛及び開口障害(最大開口量32mm)を認めた。また, マニピュレーションによりロックが部分的に解除されることより, クローズドロックと診断された。スプリント治療を中心とした保存療法を行ったところ, 1次治療開始後約6ヵ月で関節痛は消失し, 最大開口量も35mm前後で安定した。2次治療として, スプリントで得られた咬合高径を維持し義歯に置き換えた。2次治療開始後16ヵ月経過時に最大開口量は44mmまで改善した。最大開口量の増加と平行して下顎頭の滑走は増加し, 興味深いことに, 2次治療開始後1年経過時に, 下顎頭の陥凹型の骨吸収像は消失し, progressive remoderingが認められた。本症例を通して, 顎関節内障の1次治療で, 新たな顎関節の環境下で安定した下顎頭の位置が確認され, 2次治療でその環境を維持することにより, 下顎頭の形態的変化を安定した方向に誘導しうることが示唆された。
東北大学の論文

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