口唇裂口蓋裂患者へのosseointegrated implantの応用 : 顎裂骨移植部へのimplant植立における術前診査

概要

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顎裂の存在は, 口唇裂口蓋裂患者の咬合形成を難しくしている原因の一つである。われわれはこれらの患者において, 顎裂部への二次的骨移植を行って得られた骨架橋に対し, osseointegrated implantの一つであるBranemark ImplantRを応用しているが, 本論文ではX線CTと歯科用口腔内X線写真によるimplant植立のための術前診査の方法について検討した。骨架橋の頬舌的幅径, 骨架橋の高さ(上下幅)をX線CT画像より計測し, 植立可能な骨架橋の頬舌的幅径は最低4mm以上として, その画像を積み重ねて, 骨架橋の高さ(上下幅)を計測した。歯槽頂の高さの評価には, 歯科用口腔内X線写真の骨架橋の歯槽頂の最低位の位置で判定した。本方法にて術前診査後, implantを植立したところ, 臨床的に問題なく, implantが埋入できた。また, 歯科用口腔内X線写真による歯槽頂の高さの評価において, 歯槽頂の高さがスコア2以下の症例においては新たな骨移植の検討が必要であった。本方法により, implantの長さ, 埋入方向, 新たな骨移植の有無などの術前の綿密な検討が可能になり, 顎裂骨移植部におけるimplant埋入の術前診査において, 臨床的に有用な方法であると考えられた。
東北大学の論文