都市部住宅地域における在宅高齢者の口腔状態 : 鶴ヶ谷プロジェクト

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介護予防における効果的な歯科的介入を実現するにあたり, 口腔状態, 咀嚼機能および食に関するQOLの相互関係や, これらが高齢者の心身機能低下(老年症候群)に及ぼす影響を明らかにすることは不可欠である。そこで都市部住宅地域(仙台市宮城野区鶴ヶ谷地区)に在住する70歳以上高齢者を対象とした運動, うつ, 認知機能等の総合機能評価事業において歯科健診を実施した。本研究では, この健診結果の一部から現在歯とその構成, 欠損補綴状況および歯周組織の状態を分析し, その特徴を明らかにした。さらに, 全国調査である平成11年度歯科疾患実態調査報告との比較検討を行った。その結果, 当該地区在住高齢者では, 全国調査に比べ一人平均現在歯数が有意に多かった(14.1本対10.4本)。また, 現在歯保有者の歯数別分布において, 無歯顎者率が低く, 多数の現在歯保有者の割合が高かった。20歯以上保有者率および8020達成者率は全国を大きく上回った。一方, 欠損補綴状況に全国調査との違いはみられなかった。歯周組織の状態は, 比較的健全な者が多く, 歯周疾患の進んだ者の割合が低かった。本研究の対象となった鶴ヶ谷地区はかつての新興住宅地で, 現在は高齢化の進んだ都市部住宅地域である。そのような地域にける歯科医療環境, 健康意識, 経済状態などの要素が, 在宅高齢者の口腔状態に影響している可能性が推察された。
東北大学の論文
2005-06-30

都市部住宅地域における在宅高齢者の口腔状態 : 鶴ヶ谷プロジェクト

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