上顎腫瘍切除後の咬合再建-スクリューオンデンチャーによる再建例-

概要

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上顎骨切除後の咬合再建は, 義歯や顎義歯によって行われている。しかし, そのような従来型の補綴物は, 維持・安定性に多くの問題を抱えている。最近, オッセオインテグレーテッド・インプラントを支持とした補綴治療が, 顎骨切除後のオーラル・リハビリテーションに導入されるようになった。義歯の安定性はインプラントによって著明に向上し, 構音・咀嚼機能の改善が期待される。本論文においては, 上顎腫瘍切除後の咬合再建に, インプラントを支台としたスクリューオンデンチャーを用いて治療した症例について報告する。患者は, 47歳, 男性で, 上顎エナメル上皮腫のため, 上顎部分切除術, 腓骨・前腕皮弁による二次的再建術が施行された。しかし, 腓骨は壊死に陥ったため, われわれは, フィクスチャー埋入時に, オトガイ骨移植術を同時に行った。最終的に, 埋入した5本のフィクスチャーは, すべてオッセオインテグレーションし, 上部構造としてスクリューオンデンチャーを使用し, 機能的, 整容的な障害が改善された。
東北大学の論文