チタニウム製下顎骨再建手術用インプラントを用いて即時再建を行なったエナメル上皮腫の2例

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エナメル上皮腫の2症例に下顎骨片側切除後Bowerman, Conroyチタニウム製下顎骨再建手術用インプラント(チタンプレート)を用い即時再建を行なった。第1例は55歳男性, X線所見では〓が残存しており〓は埋伏していた。〓遠心根部から左下顎筋突起部にかけ手拳大で境界不明瞭, 〓埋伏歯の下方に小嚢胞様の透過像を有し, 腫瘍内に埋伏歯を包含した像を認めた。下顎骨片側切除術後, チタンプレートにて即時再建術を施行し, 術後8ヵ月経過した現在, 経過良好で顔貌の変化もほとんど認めない。病理組織診断はgranular cell typeのエナメル上皮腫だった。第2例は19歳男性, x線所見では〓が残存しており, 引遠心部から右下顎切痕部にかけて境界明瞭な手拳大の透過像を認めたが, 同部に埋伏歯はなかった。口腔内より摘出術を試みたが, 腫瘍と骨に癒着がみられ摘出が困難なため口腔外より下顎骨片側切除を行ないチタンプレートで即時再建術を施行した。術後7ヶ月を経過した現在, 経過良好で顔貌の変形もほとんど認められない。病理組織診断ではplexiform typeのエナメル上皮腫だった。チタンプレートは顎の形態および機能を保存する上できわめて有用であると思われるが, プレートの周囲は軟組織のみのため, 顎運動, あるいは義歯により口腔内外に穿孔してくる懸念があり, 今後充分な経過観察を行なっていく予定である。
東北大学の論文
1985-12-31

チタニウム製下顎骨再建手術用インプラントを用いて即時再建を行なったエナメル上皮腫の2例

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