舌癌86例における外科療法と放射線療法の比較検討

概要

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1979年4月の当科開設以来1994年3月までの15年間に, 86例の舌癌症例に対して, 根治療法が施行された。60例は外科療法を施行され, 26例は放射線療法を施行された。両群間には, 年齢, 丁分類, N分類, 病期分類の有意の偏りは認められなかった。外科療法群の5年および10年生存率は76.0%であった。放射線療法群の5年生存率は72.0%, 10年生存率は66.5%であった。統計学的有意差はなかったが, 外科療法群の方が生存率は良好であった。外科療法群の局所再発率はわずか5.0%であったが, 放射線療法群の局所再発率は30.8%であった。両者間には局所再発率の統計学的有意差が認められた。NO症例の頚部リンパ節後発転移は, 外科療法群の24.2%に認められた。放射線療法群では, 後発転移は26.1%に認められた。後発転移は, 両群間に明らかな差はなかった。舌癌の初回治療法としては, その有意に高い局所制御率から, 外科療法を第一選択として良いと考える。
東北大学の論文