ラット切歯形成期エナメル質表面のレプリカ像

概要

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ラット切歯分泌期エナメル芽細胞のトームス突起(Tp)の立体構造, およびその配列を明らかにするため, 成熟ラット切歯より分泌期エナメル質を露出しその表面の陥凹部に歯科用レジンを圧接して得られるレプリカを走査型電子顕微鏡で観察した。分泌初期のトームス突起は背の低い突起として観察される。分泌中期のトームス突起は背が高い細長い突起構造として認められ, 相異なる特徴的な二つの面を示した。すなわち, 第一の面はその基部から傾斜して立ち上がる円錐状の凸曲面で, 第二の面は前者に相対する凹曲面として認められた。トームス突起は分泌初期から歯軸に対して直交する方向に平行して走る列をなしている。分泌中期の各トームス突起はこの列の方向に対して約45度の傾斜を示し, 隣接する列のトームス突起はそれぞれ異なる方向へ傾斜して互いに交叉していた。このトームス突起の傾斜は分泌初期では認められない。列の形成は部分的に不規則であり列の分枝, 割り込みを認めた。このようなラット切歯エナメル芽細胞のトームス突起の形態を, すでに報告されているサル, ネコ等のトームス突起と比較した結果, トームス突起の基本的構造に一定の規則性があることが示唆された。
東北大学の論文
1990-12-28

ラット切歯形成期エナメル質表面のレプリカ像

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