南極昭和基地周辺の土壌呼吸 2. 西オングル島の地表面から放出されるCO2量の推算(英文)
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概要
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1979年1月と2月に東, 西オングル島の9ヵ所で48点の表層土壌が採取された。それらのCO_2放出速度を赤外線ガス分析計を使って測定した。また, 土壌中の水, 窒素, 有機態炭素量の測定も行った。5000分の1の西オングル島の地形図を5mm目の格子に切り, 各区画のCO_2放出速度を湖沼水面または氷雪帯との位置関係から3段階に推定した。それらを月平均地表面温度と関連させて12月から2月までに西オングル島の地表面から放出されるCO_2量を計算した。その結果, 炭素量にして2.1tが3ヵ月間に放出されることになった。この値を裸地全域に平均すると7.7kgC/haとなり, 有機物の平均炭素含有率を45%とすると17.2kg有機物/haとなる。この地域でCO_2の固定量と放出量が平衡状態にあるとすれば, この値はWHITTAKER (Communities and Ecosystems, 2nd ed., New York, 385p, 1975)の示した表で「真の砂漠, 岩石, 砂地, 氷雪地」生態系の一次総生産量に相当する。
- 国立極地研究所の論文
著者
-
神田 啓史
国立極地研究所
-
大山 佳邦
国立極地研究所
-
伊野 良夫
早稲田大学教育学部
-
大島 康行
早稲田大学教育学部生物学教室
-
松田 達郎
国立極地研究所
-
伊野 良夫
早稲田大学教育学部生物学教室
-
大島 康行
早稲田大学
-
松田 達郎
国立極地研究所名誉教授
-
伊野 良夫
Waseda Univ. Tokyo Jpn
-
神田 啓史
国立極地研
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