ラングホブデ雪鳥沢における生態系研究の調査報告(英文)

概要

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南極陸上生物の研究プロジェクト「陸上生態系構造の研究」は1986年から1990年(JARE-27∿31)の4ヵ年計画で, 沿岸露岩域のラングホブデ雪鳥沢と内陸露岩域のセールロンダーネ山地の2地域で進められた。雪鳥沢の生態系の研究計画は越冬観測を含め, 1986年より3年間実施され, 1989年2月に終了した。この計画には主に次のような調査項目が含められ, 研究が進められた。1)雪鳥沢水系に広がる植生と環境要因との関係を明らかにするために, 生物気象観測を行う。2)植生と環境変化の長期的監視のため, 永久方形区を設置し, 調査する。3)雪鳥沢水系の地衣類, 蘚類, 藻類, 微小動物の分類, 生態, およびそれらの相互関係を明らかにし, 生態系を総合的に理解する。雪鳥沢を含む3(km)^2の地域は豊かな植生と海鳥の営巣地があり, その生物学的価値が評価され, 1987年, 南極条約協議会議で特別科学的関心地区(SSSI)として指定された。また, 現在進行している国際研究計画「南極陸上生態系の研究」(BIOTAS)を背景に, 雪鳥沢の研究は機を得た計画であった。本報告は雪鳥沢の生態系に関する研究の目的, 計画の立案, 経過, 成果, 将来の展望についての概略をまとめたものである。
国立極地研究所の論文