携帯用光合成測定装置を用いた南極,ラングホブデでの蘚類の光合成の測定(英文)
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概要
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南極に生育する植物の一次生産量を計算するためや, 蘚類・地衣類の環境適応を調べるために, 光合成の測定がなされてきたが, その例は少ない。この測定には多くの計器, 機材が必要とされ, それが南極での測定が少ない原因と考えられる。近年, 数種の携帯用の光合成・蒸散測定装置が発売された(例えば, The Analytical Development社, LI-COR社, Warz社)が, これらはいずれも葉を挾んで, その二酸化炭素の取り込みを測定するものであり, 蘚類・地衣類には用いることができなかった。9cmシャーレが入る小型同化箱を開発し, 測定装置(小糸製作所, KIP9000)をそれにあわせて改良し, 東南極のラングホブデ雪鳥沢で, 2種の蘚類の光合成と暗呼吸速度を測定した。サンプル1(Bryum pseudotriquetrumとCeratodon purpureusの混生したもの)で約9時間, サンプル2 (C. purpureus)で約11時間の連続測定を行った。呼吸速度が大変大きく, そのため光補償点はかなり高かった。この装置で得られた結果は, 同時期に同じ場所で使用した大型の測定装置(分析部 : 堀場製作所VIA-300,同化箱 : 小糸製作所MC-A3W)で得られた結果(Y. INO : Ecol. Res., 5,195,1990)とほぼ同じであった。ただし, 最大光合成速度は若干高かった。
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