ケルダール法における魚粉中の全窒素測定条件の検討及び燃焼法との比較
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概要
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ケルダール法と燃焼法の測定方法の違いによって,魚粉中の全窒素の定量値に差が生じる原因を検討した.その結果,両測定法の定量値に有意差のある魚粉が認められた.難分解性アミノ酸であるリジン塩酸塩の回収率を目安に,分解促進剤の量及び分解時間を検討し,最適な条件を設定した.しかながら,本法を魚粉に適用した場合,分解中に激しく発泡することがあり,分解液が透明になるまでに時間がかかり,分解操作が煩雑となった.そこで,試料採取量を2 gから1 gに減らし,分解促進剤10 g及び硫酸30 mLを加え分解し,分解液が透明になった後120分間加熱を継続した.この分解方法で燃焼法と比較を行った結果,燃焼法における定量値の方が高くなる傾向にあったが,両分析法での有意な差は認められなかった.燃焼法はケルダール法より併行精度が高く,信頼性の高い分析法であった.両測定法の定量値に差が生じる原因として,当初,硝酸態窒素量及び亜硝酸態窒素量が影響していると想定したが,ケルダール法の分解が不十分であることが原因と考えられた.
- 2011-01-05
著者
-
安井 明美
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所
-
石黒 瑛一
(財)日本食品分析センター
-
安井 明美
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所
-
久保田 貴志
千葉県農林総合研究センター
-
押田 智子
千葉県農林総合研究センター
-
矢内 こずえ
JA東日本くみあい飼料(株)品質安全部分析センター
-
井上 譲
JA東日本くみあい飼料(株)品質安全部分析センター
-
松井 精司
株式会社住化分析センター
-
松本 孝春
株式会社住化分析センター
-
石黒 瑛一
財団法人日本食品分析センター
-
井上 譲
Ja東日本くみあい飼料(株)品質安全部分析センター
-
矢内 こずえ
Ja東日本くみあい飼料(株)品質安全部分析センター
-
安井 明美
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所
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