細菌アミラーゼに関する研究 : (第23報)細菌アミラーゼ及びプロテイナーゼの産生機構(その6)細胞内窒素化合物,特にアミノ酸との関係

概要

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Bac. amyloliquefaciens Fukumotoの洗滌細胞を用いて,そのアミラーゼ及びプロテイナーゼの産生と細胞内遊離アミノ酸との関係について検討した結果, 1) これ等酵素の産生に伴ってグリシン及びグルタミン酸以外の細胞内遊離アミノ酸は著しく減少する.しかし細胞外にはアスパラギン酸,グルタミン酸,セリン,アラニン等4〜5種のアミノ酸が認められるにすぎない. 2) 炭素源が不適当なためにアミラーゼが産生されない場合にも細胞内アミノ酸の減少は認められるが,しかし細胞外には1)の場合に比較してより多種類のアミノ酸が認められる. 3) DNPは両酵素の産生を著しく阻害すると共に細胞内遊離アミノ酸の減少をも阻止する. 4) 5-メチルトリプトファン,エチオニン及びα-,γ-グルタミン酸ヒドラジッドは酵素産生に全く影響を及ぼさない. 5) CMの添加は両酵素の産生を阻害するが,予め至適条件下に於て細胞を振盪し,一定時間経過した後それを添加した場合には殆んど阻害を示さない等のことが判明した. 6) これ等の結果からアミラーゼの産生には遊離アミノ酸の関与も考えられるがその外に細胞内にはより直接的な中間段階の酵素素材が存在すると思われる.
社団法人日本農芸化学会の論文