温水処理甘藷の膜システムによる塊根成分の分画
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概要
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1.甘藷塊根を65°Cの温水に1〜3時間浸漬すると,適当な圧搾条件下では,圧搾甘藷切片が崩壊することなく,圧搾搾汁-吸水-圧搾搾汁のくり返しが可能である.そして圧搾により可溶性糖は搾汁中に排出されるが, β-アミラーゼは圧搾切片中に残留するので,まず低分子成分を分画できた.最後の圧搾切片を吸水後磨砕して搾汁すると,ほとんどすべてのβ-アミラーゼは比活性の高い状態で搾汁中に抽出され,固形分から分画された. 2.上記の可溶性糖などの低分子成分とβ-アミラーゼの分画は,処理甘藷切片の細胞壁や細胞膜などからなる膜システムによる分画であることを明らかにした. 3.処理甘藷切片の崩壊を伴わないで圧搾搾汁-吸水-圧搾搾汁のくり返しが可能な理由は,主として細胞壁周辺のペクチンがカルシウムと結合し架橋構造を増したためであるが,一部はセルロースなどとの結合の増加によるものであることが示唆された.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
著者
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永浜 伴紀
鹿児島大学農学部
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藤本 滋生
鹿児島栄養専門学校
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永浜 伴紀
鹿児島大 農
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蟹江 松雄
鹿児島大学農学部澱粉利用学研究室
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藤本 滋生
鹿児島大学農学部澱粉利用学研究室
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永浜 伴紀
鹿児島大学農学部澱粉利用学研究室
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蟹江 松雄
鹿児島大学
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