放線菌酵素の利用に関する研究(第11報) : 二,三の酵素と培養条件について(その2)
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概要
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酵母菌体を分解して呈味液を得るのに必要な酵素類を生産することを目的として一放線菌Streptomyces No.41-003株の培養を行う場合の通気攪拌条件を検討した. 実験は主として20l容ワルドホッフ型ジャー・ファーメンターを使用し, 10lのYP培地(パン酵母を含む培地), 30°の温度条件下で行い,通気攪拌条件は亜硫酸酸化法による酸素吸収速度恒数(Kd)に置換し,これを指標として相対的な検討を行った. (1) ヌクレアーゼ(RNase),プロテアーゼの生産は実験範囲内においてはいずれの通気攪拌条件においても3日目が最大であり, 5´-アデニル酸デアミナーゼ(DNase)の生産は2〜3日目が最大である. (2) 5´-ヌクレオチダーゼ(DNase)の生産は通気攪拌条件の相違により最大活性出現時が1日目の場合と2日目の場合があり,後者の場合は一定の通気攪拌条件の範囲内に限定される. (3) プロテアーゼおよびDAase生産に対する最適通気攪拌条件は,亜硫酸酸化法によって示されるKd=2.72×10-5付近にあり, RNase生産に対するそれは, Kd≥5.25×10-5にある. (4) Kd=2.72×10-5で示される遇気攪拌条件で3日間の培養がほぼ目的に適合した. (5) YP培地を使用する場合,培養時の消泡剤としては醤油油+Antifoam Aの組合せが最適であった.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
著者
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岩浅 孝
キッコーマン・野田工場
-
横塚 保
キッコーマン醤油株式会社中央研究所
-
石井 茂孝
キッコーマン・生科研
-
杉本 洋
キッコーマン(株)中央研究所
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石井 茂孝
キッコーマン醤油株式会社中央研究所
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岩浅 孝
キッコーマン醤油株式会社中央研究所
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