9. 乾燥処理した揮発成分の保持と水分活性(昭和56年度第27回凍結及び乾燥研究会特別講演および研究報告)
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概要
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1)モデル実験としてβ-CDに保香処理した系では,a_wの増大ならびに吸湿量の増加に伴って香気成分が逸散し出した.2)粉末醤油の固結状態(20℃, a_w O.32)におけるアルコール類やエステル類などの低沸点香気成分と,フェノール類などの高沸点香気成分の保香率はそれぞれ,45〜65%(30℃では13〜35%)と90〜100%であったが,潮解状態(a_w 05〜0.6)では前者が10〜50%で,後者が80〜95%の保香率であった.粉末醤油の褐変は30℃,a_w 0.3付近から増加し出し,a_wの増加に伴う,アミノ酸ならびに中性糖の減少と対応していた.3)粉末味噌の各成分は,粉末醤油より高いa_wまで安定であった.4)β-CDのモデル系,粉末醤油および粉末味噌とa_wの関係より,成分の安定性は水の存在状態と相関があると推察された.
- 低温生物工学会の論文
- 1981-09-20
著者
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岡安 誠
キッコーマン株式会社研究本部
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岡安 誠
キッコーマン(株)中央研究所
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浜野 光年
キッコーマン(株)中央研究所
-
杉本 洋
キッコーマン(株)中央研究所
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浜野 光年
キッコーマン株式会社中央研究所
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浜野 光年
キッコーマン
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