放線菌酵素の利用に関する研究(第2報) : 酵母菌体の分解(その1)
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概要
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(1) 新たに土壌中より分離した放線菌No. 41-003株を用いて酵母菌体を分解すべくPDase, PMase, RNase,プロテアーゼ,酵母溶解能の生成条件を検討した. (2) その結果,特にPDase, PMase及びRNaseのうち,特に前二者は培地中のPiにより強く抑制され,プロテアーゼ及び酵母溶解能の生成にはそれぞれPiの至適濃度があることが判明した. (3) PMaseの生成をほぼ完全に抑制するようなPi量の条件下に003株を培養し,全培養液を酵素液として酵母菌体の分解を行い,アミノ酸類,イノシン酸を含む5-ヌクレオタイド類を主体として濃厚な旨味を呈する分解液を得た. (4) 5-ヌクレオタイド類の理論収量比は25〜71%に達したが,そのモル比が不均衡であるのでこの原因について若干の検討及び考察を試み,その結果,培養液中に,より特異性の高いヌクレオタイド分解酵素が存在することが一つの可能性として推定された.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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