酵素糖化ブドウ糖原料としての澱粉の液化性に関する研究(第5報) : 液化酵素に対する澱粉製造不純物の影響
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概要
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甘ショ澱粉製造に際して,澱粉に混入する可能性のある不純物について液化酵素に対する影響を調査した. (1)甘ショ摺り込み沈澱の排水,ならびに排水を酢酸でpH 4.0にして沈澱分離した渋,甘ショ蛋白,甘ショの主要糖分であるショ糖は,液化酵素の熱失活に対して保護作用を呈する. (2)甘ショのアルコール抽出物を溶媒で抽出分離した各区分について調査したところ,アセトン可溶部は添加量を増大するにしたがって澱粉の液化率を低下させる.ただしこのことは必ずしも液化酵素に対する阻害作用とは限らない.アセトン不溶部は阻害作用も保護作用もない.酢酸エチル可溶部は阻害作用を有する.同じく不溶部はむしろ保護作用がある. (3)塩素は反応液中0.3p.p.m.程度の微量ですでに阻害作用を示し, 10p.p.m.ではほとんど酵素作用を停止させる.銅(硫酸銅),水銀(塩化第2水銀),鉄(硫酸第2鉄)のような重金属類は,いずれも微量で阻害作用を呈するが,鉄はその中で害作用が少ない. (4)界面活性剤DBSも液化酵素に対して阻害作用を有する.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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