青果物の鮮度保持に関する研究 (第1報) : キュウリの冷温貯蔵における品質変化について
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概要
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キュウリ青節成2号およびときわ2号を用いて, 冷温貯蔵を行ない, 品質変化を外観および成分的に調査しつぎのような結果を得た。1. 温度条件と外観的品質変化の関係については, ほぼEAKSらと同じ結果で, 貯蔵適温は11〜13°C近辺にあり, 3〜5°C近辺が最も貯蔵性が悪かつた。2. 11〜13°Cでキュウリはほぼ40日食用可能の状態で貯蔵されるが, 厚さ0.03mmのポリエチレンフィルムに密封すると, さらに7日前後貯蔵可能期間が延長された。市場性を有する限界点に達したと思われるまでの日数, すなわち市場性保持期間で比較すると, ポリエチレシ密封区は他の貯蔵区に比し, とくに良結果を示した。3. 冷温に貯蔵する前に11〜13°C程度の温度に, 一定期間あらかじめ保持すると, 貯蔵可能期間がいくぶんか延長された。4. 3〜5°Cに10日前後キュウリを保持すると明らかに冷温障害が認められた。5. キュウリの冷温障害の特徴の一つである Pitting は, 冷温区で観察されたが, 今回の試験では, その程度は少なかつた。6. 冷温障害の徴候が外観的に現われる以前に, すでに組織的な破壊が内部にはじまつていることを認めた。7. 冷温障害果は健全果に比べて, 酸が減少し, pHが上昇していることを明らかにした。
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