トマト果実の鮮度保持とその生理学的研究(第10報) : トマト果実の追熟中における2, 3の酵素活性の変化と それに対するポリエチレン包装の影響
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概要
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トマト果実の追熟時における解糖系酵素の活性変化と, それに対するポリエチレン包装の影響を検討した. またTCA cycle の酵素の一つであるSDHについても同様測定を行なつた.1. 果実の部位別にみた aldolase, G-6-P DH, 6-P-G DH, SDHの活性は, ゲル状部で高く, 果肉部で低かつた.2. ゲル状部についてみると, aldolase 活性は, 果実の追熟に伴つて急速に減少し, EMPの解糖系の低下が推定された. 一方, ポリエチレン包装して追熟を抑制すると, 活性の低下はおさえられた.3. HMPの酵素であるG-6-P DHと6-P-G DH活性の, 追熟に伴う変化は比較的小さかつたが, aldolase とほぼ逆の傾向を示し, 追熟につれて一時上昇傾向を示した. このことから, トマト果実の追熟時にはEMP→HMPの解糖系の転換が, 果実とくにゲル状部で行なわれていることが推定された.4. G-6-P DH, 6-P-G DH活性の上昇は, 果実をポリエチレン包装すると抑制された.5. ゲル状部のSDH活性は, 呼吸の pre-climacteric 時に低く, climacteric maximum で上昇し, その後は低下した. ポリエチレン包装して果実の追熟を抑制した場合には, SDH活性の上昇もおさえられた.
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