メロンの熟度と収穫後の品質保持
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概要
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収穫したメロンの熟度判定法と果実熟度が収穫後の品質変化に及ぼす影響について調査した. また, 包装や低温の果実品質の保持効果についても検討を加えた.1. アールス系メロンでは, 収穫適期の判定は果梗基部の離層形成等の外観変化によっては困難であり, また交配後の日数によっても不十分であった.2. 果実の揮発性成分として12成分が同定されたが, それぞれ果実の香気と関連が深いと考えられた. 果実の揮発性成分の組成や量は果実の熟度と関連が認められたため, これを熟度の指標とすることが可能と考えられた.3. 果実のエチレン生成量によって熟度を判定することが可能であり, 1週間程度の常温流通に適した果実の収穫熟度は, エチレン生成量で0.1μl/kg/h以下と考えられた.4. 包装やエチレン除去処理の品質保持効果は, 果実の熟度によって差が認められたが, 上記のエチレン生成量で規定した収穫適熟の果実では両処理とも効果的であり, それぞれ2〜3日の品質保持期間の延長が可能であった.5. アールス系メロンの温度別の品質保持期間は20°Cでは1週間, 10°Cでは2週間, 4°Cでは3〜4週間程度であり, 低温を利用しても2〜3ケ月間の品質保持は困難と考えられた. また, 本実験条件の減圧貯蔵はメロンの品質保持に効果的とは認められなかった.
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