青果物の鮮度保持に関する研究 (第7報) : トマトの色素含量におよぼすポリエチレン包装の影響
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概要
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トマトをポリエチレン包装した場合の, 着色抑制とカロチノイド含量との関係を検討し, 次のような結果を得た。1. トマトの ripeness score の進行にともない, クロロフィルが減少し, リコピン含量が急速に増加した。2. ポリ包装して着色を抑制した場合は, クロロフィルの減少が遅延し, リコピンの生成も少なかつた。カロチン含量は無包装の場合とほとんど変わらなかつた。3. ポリエチレン包装して着色抑制したトマトでは, phytoene の異常蓄積は認められなかつた。すなわち, リコピン生合成の中間体と考えられる phytoene, phytofluene などの無色のカロチノイドの生成は, リコピン含量の多いものほど多く, 逆にポリ包装してリコピンの生成が少なかつたものは, それらの生成も少なかつた。4. 以上のことから, ポリ包装によるリコピンの生成阻害は, phytoene, phytofluene 以降の脱水素系の阻害ではなく, それ以前の phytoene の生合成経路の阻害と考えられた。
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