酵素糖化ブドウ糖原料としての澱粉の液化性に関する研究(第8報) : 油脂と澱粉の液化性
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概要
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澱粉の液化性は脱脂操作によって影響を受ける.脱脂の影響は澱粉の種類によって相違し,元来fat-by-hydro lysisの少ないバレイショ粉では脱脂の効果が少なく,脱脂操作が一種の熱処理であることから,かえって熱の影響を受けて難溶性澱粉の発生量が増大し液化性が悪く.なる,一方,トウモロコシ澱粉はこれと反対であって,抽脂成分が多く,熱処理に対する感受性が少ないので,脱脂によって難溶性澱粉の発生量が減少した.甘ショ澱粉は両者の中間に位するが,むしろバレイショ澱粉に近く,脱脂によって液化性の向上をあまり期待でぎない. 糊化した脱脂甘ショ澱粉にラク酸からステアリン酸までの1価飽和偶数直鎖脂肪酸を混入して,液化性の変化を調査したところ,低級脂肪酸の影響は少ないがラウリン酸以上の高級脂肪酸では,難溶性澱粉の発生量を大幅に増加させ,同時に液化率を低下させることを認めた.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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