クリのクリタマバチ抵抗性に関する研究 (第11報) : 感受性および抵抗性品種のゴール組織と健全組織のポリフェノールオキシダーゼおよび2, 3のデヒドロゲナーゼ活性について
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概要
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感受性品種と抵抗性品種のゴール組織と健全組織のポリフェノールオキシダーゼおよび2, 3のデヒドロゲナーゼ活性を組織化学的に測定した.健全組織のポリフェノールオキシダーぜは維管束周辺柔組織に活性が強く, 葉肉組織で弱かつた. ゴール組織は感受性, 抵抗性品種とも健全組織より活性が低下していた. しかし, 後者の方がその程度は低かつた. また, 後者のゴール組織と健全組織の間ではかつ変形成前にすでに活性の著しい増進が観察された. この組織は維管束周辺柔組織であつた.ゴール組織で示されるテトラゾリウム還元反応は加熱や凍結処理によつて消失し, NH2OH, NaF, 2, 4-DNP, ヨード酢酸, 重金属イオン, 酸化剤によつて失活または活性が低下した. タンニン酸は10-3M, クリ樹皮から得たタンニンは0.4%でデヒドロゲナーゼ活性を阻害した. ゴールの起源となる幼葉のデヒドロゲナーゼ活性は弱いが, 感受性品種のゴール組織のそれは強く, 生長点の活性に匹敵した. 一方, 抵抗性品種は感受性品種の半分程度の活性であつた.健全組織におけるNADPヒドロゲナーゼ, グルコーズ-6-リン酸デヒドロゲナーゼなどの活性は弱いが, 感受性品種のゴール組織ではNADとNADPヒドロゲナーゼ, グルコーズ-6-リン酸デヒドロゲナーゼ, イソクエン酸デヒドロゲナーゼなどの活性は著しく強かつた. しかし, 抵抗性品種のゴール組織では本実験で測定したデヒドロゲナーゼ活性に関する限り弱かつた.
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