クリのクリタマバチ抵抗性に関する研究(第7報) : 感受性および抵抗性品種の茎のカルス形成におよぼすクリタマバチ幼虫抽出液, オーキシンおよびサイトカイニンの影響
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概要
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クリタマバチ感受性と抵抗性品種のゴールの発育の難易を茎などのカルス形成の面と関連づけて検討した. 抵抗性品種銀寄は感受性品種ね-17と同等かこれに劣らないカルス形成量を, 茎, 葉柄, 葉脈の材料について, オーキシン(2,4-DとIAA)やカイネチンを含む培地条件下で示した. このような銀寄のカルス化しやすい性質は本品種固有のもので抵抗性品種に共通する特性でないことが, 他の感受性4品種, 抵抗性5品種を含めた茎のカルス形成に関する同様な実験結果からも確かめられた. また茎から誘導されたカルス量をみると, クリタマバチ幼虫抽出液中の活性物質に対する感受性, 抵抗性両品種の反応の差異は認められなかつた. 継代培養したカルスの発育におよぼす影響についても同様であつた.いずれのクリ品種もクリタマバチ幼虫中のゴール誘導物質, オーキシン, カイネチンに反応してクリのカルス形成が促進された.クリのカルス形成における植物生長調節物質の濃度条件は, ね-17と銀寄についてみると, 茎では2,4-D 0.1ppm, カイネチン1ppmが至適濃度で両品種にほとんど差がなく, カイネチンを含むオーキシン培地では両品種の至適濃度はやや高まり, IAAの効果は2,4-Dに比較して10倍ほど劣つた.
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