クリのクリタマバチ抵抗性に関する研究 (第1報) : シバグリ新梢樹皮中のポリフェノール性物質の季節的変化
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概要
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クリタマバチの被害をうけているシバグリと被害をうけていないシバグリの1〜2年生枝の樹皮中のポリフェノール性物質の定量を行ない, クリの抵抗性との関係をみた。さらに, 1年生枝の樹皮中の含量を経時的にしらべ, 含量, さらに生成量と抵抗性との関連を調べた。1. シバグリにおいても栽培グリと同様にカテコールタンニン, ロイコアントシアニジンは無被害樹に多い。逆に, ピロガロールタンニンは少ない。全タンニンは栽培グリと異なつた結果をえた。2. カテコールタンニンは新梢の若いうちは含量が少ないが, 組織の成熟にともない含量を増し, クリタマバチのふ化, 芽の組織の侵入時期前後の6月下旬から8月上旬にもつとも急激な増加を示す。また無被害樹はカテコールタンニン含量が多く, 生合成も活発である。3. ロイコアントシアニジンについてもカテコールタンニンと同様のことがいえる。4. ピロガロールタンニンは被害樹に含量が高く, また組織が未熟であるときほど含量が高い, そして経時的に減少する。その減少は無被害樹のほうが大きい。5. 全タンニンもピロガロールタンニンと同様経時的に減少する。6月から8月にかけての減少は無被害樹のほうが少ない。6. カテコールタンニンはクリのクリタマバチ抵抗性発現要因の一つと思われる。
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