温州ミカンの着果負担に関する研究(第3報) : 葉果比が収穫期の樹体内炭水化物含量ならびに翌春の着花数•新葉数に及ぼす影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1. 温州ミカン宮川早生14年生樹を用いて, 摘果により葉果比を30, 60, 100および300とした場合, 葉果比が増すにつれて収穫果の総数, 総重量および可溶性固形物含量は減少し, 1果重量, 横径, 縦径, 果皮重および果肉重は増加した. 果皮歩合は本調査ではほぼ一定であつた.2. 葉果比が増すにつれて, 収穫期の炭水化物含量は地上部では葉に増加の傾向が現われたが, 緑枝や主枝にはほとんどみられなかつた. しかし地下部における増加は顕著であり, 特に根のでん粉含量は本葉果比の範囲では直線的に増加した.3. 葉果比が増すにつれて次年度の着花数は著しく増加し, 300区は30区の約5倍となつた. しかし逆に新葉数は著しく減少したため, 着果負担の増減が翌年の樹体の生育相 (栄養生長あるいは生殖生長) を変化させることが考えられた.4. 宮川早生5年生無着果樹を12月, 2月および4月に完全に摘葉した場合, 次年度の着花数は無摘葉樹よりも減少し, 逆に新葉数は増加したが, 12月に1樹の葉面積を半分にした場合には着花数, 新葉数ともに無摘葉樹とほぼ同数であつた. 開花後に全摘葉樹はすべて落花したが, 半摘葉樹の着果数は無摘葉樹の約1/2となつた.
著者
関連論文
- クリのクリタマバチ抵抗性に関する研究 (第1報) : シバグリ新梢樹皮中のポリフェノール性物質の季節的変化
- クリの種および品種におけるポリフェノール性物質, ならびにその含量とクリタマバチ抵抗性との関係
- Cymdidiumの生長点培養における器官形成(第7報) : シュンラン菌根茎の抽出液について
- Cymbidium の生長点 (茎頂) 培養における器官形成 (第5報) : 野生シュンランの根茎における食菌現象 phagocytosis の解剖学的, 組織化学的研究
- Cymbidium の生長点培養におげる器官形成 (第4報) : プロトコーム抽出液のサイトカイニン活性について
- Cymbidium の生長点 (茎頂) 培養における器官形成 (第6報) : 不定根形成に対する光及び培養基の影響について
- Cymbidium の生長点培養における器官形成 (第3報) : シュンランの rhizome-tip からの shoot 形成過程についての組織学的研究
- Cymbidium の生長点培養における器官形成 (第2報) : 暗培養における生長物質の与える影響について
- Cymbidium の生長点培養における器官形成 (第1報) : 連続照明下における培養基添加物の与える影響について
- 愛知県におけるペカンの開花と結実に関する研究
- ブドウ果粒中のオーキシンおよびアブシジン酸様物質の季節的消長について
- 作物化学調節の3本足 : 作物診断学の発展をねがって
- ブドウの花穂の発育に伴うサイトカイニン, 光合成および呼吸活性の変化について
- ブドウの樹液中の内生ホルモンについて
- ブドウ果粒の発育, 特に成熟に伴う光合成および呼吸の変化
- 温州ミカン園の蒸通発量
- クリの接木親和性に関する研究 (第1報) : 台木の違いが穂の発育および無機成分に及ぼす影響
- ブドウ (品種巨峰) の一番果および二番果の着果と発育におよぼす摘心時期の影響
- ブドウ果粒中のサイトカイニン活性について
- 温州ミカンの着果負担に関する研究 : (第5報)着果樹と不着果樹の炭水化物経済について
- クリのクリタマバチ抵抗性に関する研究 (第9報) : 感受性および抵抗性品種の芽のポリフェノール含量について
- クリのクリタマバチ抵抗性に関する研究 (第10報) : 芽組織のかつ変形成とポリフェノール性物質の組織内分布
- クリのクリタマバチ抵抗性に関する研究 (第11報) : 感受性および抵抗性品種のゴール組織と健全組織のポリフェノールオキシダーゼおよび2, 3のデヒドロゲナーゼ活性について
- クリのクリタマバチ抵抗性に関する研究(第7報) : 感受性および抵抗性品種の茎のカルス形成におよぼすクリタマバチ幼虫抽出液, オーキシンおよびサイトカイニンの影響
- クリのクリタマバチ抵抗性に関する研究(第6報) : クリタマバチ幼虫抽出液によって形成された人工ゴールについて
- クリのクリタマバチ抵抗性に関する研究 (第8報) : クリの健全組織およびゴール組織ならびにクリタマバチ幼虫中の糖およびアミノ酸について
- 温州ミカンの着果負担に関する研究 (第1報) : 葉および茎の浸透価, 溶質比, 可溶性固形物含量, 含水量などの日および季節的変化について
- クリのクリタマバチ抵抗性に関する研究 (第5報) : クリタマバチ幼虫に含まれるサイトカイニン活性物質ならびに幼虫抽出液によるクリのカルス形成
- 日本ナシ黒はん病菌 (Alternaria kikuchiana TANAKA) に対する抵抗性に関する研究 (第11報) : 日本ナシの葉から抽出したβ-glucosidase 活性におよぼす品種選択性代謝毒物質の影響について
- 日本ナシの黒斑病菌 (Alternaria kikuchiana TANAKA) に対する抵抗性に関する研究 (第7報) : 自然病斑から host-specific toxin の単離とその toxin の毒性軽減物質について
- 日本ナシの黒斑病菌 (Alternaria kikuchiana TANAKA) に対する抵抗性に関する研究 (第6報) : Alternaria kikuchiana TANAKA の生産する host-specific toxin の単離
- 日本ナシ黒はん病菌 (Alternaria kikuchiana TANAKA) に対する抵抗性に関する研究 (第10報) : 日本ナシに含まれるフェノール性物質と菌の産出する品種選択性毒物質による葉のかつ変との関係
- 温州ミカンの水分均衡に関する研究 (第1報) : 葉の飽和水分不足度より見た Water balance の変化
- 温州ミカンの着果負担に関する研究(第3報) : 葉果比が収穫期の樹体内炭水化物含量ならびに翌春の着花数•新葉数に及ぼす影響
- ラン種子の無菌発芽に関する研究 (第1報) : Cymbidium種子の発芽および発育について
- 秋季の土壌水分含量が温州ミカンの果実の発育と果汁の成分におよぼす影響
- クリのクリタマバチ抵抗性に関する研究 (第4報) : クリタマバチによる感受性および抵抗性品種のゴール形成
- 日本ナシの黒斑病菌 (Alternaria kikuchiana TANAKA) に対する抵抗性に関する研究 (第9報) : 葉の呼吸におよぼす品種選択性代謝毒物質 (K-III) の影響
- 温州ミカン葉のクロロフィル含量に関する研究
- 温州ミカンの着果負担に関する研究-2-浸透価,可溶性固形物含量,含水量の相互間の相関関係および組織粉末比重の季節変化について